私はグラフィックデザイナーの仕事をしています。
今はフリーランスで仕事をしていますが、会社員だったころは苦手な環境が多くありました。
HSPの気質が大きく関係していた部分があると感じるので、実際に私が苦手だったなと思うことを紹介していきます。
会社員デザイナーの時に大変だったこと
私の場合は以下の5つが特に苦手でした。
- 電話対応
- マルチタスクが多い
- 社内チャットでのやりとり
- 納期直前や繁忙期のピリピリ感
- 作業進捗の共有
詳しく解説していきます。
1.電話対応
私が社内で一番新人だったということもあり、電話は基本的に私がすることになっていました。
お名前と用件を聞いて担当者に変わることが多かったのですが、電話が鳴ってまず初めに出るのが私の役割でした。
・自分の仕事に集中できない
電話が鳴るとすぐにそちらに対応しなければならないので、自分の作業は一旦中断しなければなりません。
電話が終わったら元の作業には戻れますが、その切り替えがうまくできずに、なかなか自分の仕事に集中できませんでした。
電話対応に苦手意識があったので「電話が来たらやだな…」と常に恐怖心を抱いて仕事をしていました。
・着信音でびっくりしてしまう
HSPさんは音や光、においに敏感な人も多いです。私は特に「大きな音」が苦手でした。
電話に一番近い席にいましたが、着信があるたびに音にびっくりしてしまっていました。
2.マルチタスクが多い
ひとつひとつの案件にじっくり取り組めるならよいのですが、一人で複数件の仕事を抱えて並行して進めていく必要がありました。
別のことをしていても他の案件のことが気になってしまって、上手く集中して進めることができませんでした。
納期が重なってしまったり、一度に対応しなければならない状況になると一人でパニックになってしまっていました。
上司や先輩が気にかけてくれましたが、なかなか自分から相談することはできませんでした。
3.社内チャットでのやりとり
社内でのやり取りは社内チャットで行っていました。
新しい仕事が増えるときや、修正依頼が入ったときなど、仕事内容に関するやり取りが主でしたが、雑談をすることもありました。
自分の仕事が落ち着くまでは一切チャットを見ない、という方法もありますが
「急ぎの案件だったらどうしよう」「早く返事をしないと迷惑がかかるのではないか」などの不安からチャットに通知があるとすぐに見るようにしていました。
そして、雑談でもなにかしらのリアクションをしないと失礼なのでは、と思いそのリアクションにまで時間を使うことに…。
また、他の人に仕事の連絡をしても返事が返ってこなかったりすると、返事が来るまで不安でした。
文字での返信自体は苦ではありませんでしたが、チャットの通知は一日中気にしてしまう要因の一つでした。
確認だけして返事をくれない人もいたので、「ちゃんと伝わったのかな」とずっと不安でした。
4.納期直前や繁忙期のピリピリ感
納期が迫ってきたり、繁忙期になると社内全体がピリピリしたムードになります。
周囲の感情や雰囲気を敏感に感じ取ってしまうので、ピリピリした中にいるのが苦痛でした。
まわりから聞こえるため息、愚痴などにも疲弊してしまっていました。
私に何かできないかな、と声をかけるにもタイミングを計りすぎて、何もできず、自分だけがさらに疲れてしまうことに…
私がいた会社は印刷業務も行っていて、繁忙期は11月~4月でした。
11月~12月:カレンダーや年賀状のデザイン・印刷
2月~3月:学校・企業の記念誌などの発行
4月:新社会人さんの名刺デザイン・印刷
が繁忙期の主な業務でした。
5.作業進捗の共有
社内PCからカレンダーや進捗ボードに全員がアクセスできるようになっていました。
自分のスケジュールはカレンダーに入力、持っている案件の納期や、今どこまで進んでいるのかを進捗ボードに反映することになっていました。
例えば、デザインから印刷作業まで名刺作成の案件があったとして、デザインが完成してクライアントさんに見てもらっている最中だとします。
その場合は「現在、デザインの確認まち」と入力しておくと、社内全員が名刺作成が今どんな状態まで進んでいるのかを確認することができるというものです。
担当者の名前や、納期も確認できるので便利なのですが、私にとってはそれが不安要素の一つになっていました。
全員が確認できるということは、他の人の担当する仕事の進捗も見えるということ。
「この案件、明日納期なのにまだ全然進んでないの大丈夫なのかな…」
「来週入る新しい案件の担当に私の名前が入っているけど、何も聞いてないぞ…」
知らなければ不安になることもないのですが、
「細かいことに気づいてしまう」というHSPの気質が裏目に出てしまっていました。
対策できたかも、と今だから思うこと
苦手な環境へのストレスを抱えすぎてしまい、結果的に体をこわしてしまいました。
今は会社員をやめフリーランスになりましたが、会社員だったととしても、対策できることはあったと感じます。
苦手ということを打ち明けてみる【ワガママになる】
身体をこわした時に、上司に「HSPの気質が強い」ということと「つらい環境がたくさんあった」ということを打ち明けました。
上司は「全然わからなかった。もっと早く言ってくれれば対策してあげられたのに」と。
私は勝手に「HSPである私の問題だから、自分が我慢するしかない」と思っていましたが、それは違いました。
もちろん仕事なので、あれやだ、これやだ、とワガママを言っていいというわけではありませんが、HSPさんの場合はもうすこしだけワガママになってみてもいいのではと感じます。
とりあえず新人デザイナーだから電話対応もやらせてみたけど、電話のせいで肝心なデザインの作業が進んでいない
↓
それなら、電話対応は別の人に任せよう
案外、すんなり解決へと向かったのではないかと思います。
自分の仕事だけに集中する【無関心になる】
チャットでも進捗ボードでも、私は「他の人のこと」を気にしすぎていたと思います。
HSPの特徴として、「周囲の変化に気づきやすい」「情報を深く処理する」などがあります。
そのため、HSPさんが周りのことを無意識に気にしてしまったり、余計なことを考えてしまうことはよくあることです。
でも、仕事の場合は、人のことは「私関係ないし~」と多少無関心で嫌なヤツになっても全然良いのではないでしょうか。
人の仕事の納期が迫っていようが、チャットで雑談が盛り上がろうが、気にせず自分の仕事に集中していれば良かったです。
新人の私にできることはなにもない!
先輩が大変そうだけど、先輩なら大丈夫だろう!
世間話の流れに入れてないけど、大事な話なら直接話してくるはず!
すべて割り切ってしまえば、もう少し楽な気持ちで仕事ができたかもと感じます。
HSPさんとデザイン系の会社の相性については、こちらの記事にも詳しくまとめています。
まとめ
HSPである私にとっては、会社員デザイナーは苦手な環境がたくさんありました。
でも、デザイナーという職業はHSPさんにとっては長所を生かせる仕事だと思っています。
短所を克服するより、短所を受け入れながら長所を伸ばしていけたら、HSPさんももっと会社での仕事がしやすくなるのではないでしょうか。