似ているようで実は全然ちがう二つの仕事。
きっとこの記事にたどり着いた方は「イラストもデザインも興味がある人」だと思います。
私は今現在はどちらの仕事も受注しています。
どちらの仕事もやってきて、「グラフィックデザイナーが向いている人」と「イラストレーターが向いている人」をまとめてみました。
進路希望で将来の職業を提出しなきゃならない学生さんも
転職したい社会人さんもぜひ参考にしてみてください。
- 自分がなりたいのはイラストレーターなのか、グラフィックデザイナーなのかわからない人
- どちらかに転職したいと思っている人
- 進路希望調査で困っている人
そもそも何が違うのか?
「イラストを描く仕事」か「全体のデザインを構成する仕事」かが大きな違い。
違いが良くわからない…という方は、こちらの記事に詳しくまとめていますので、一度読んでみてください。
違いはわかったけど、自分がどっちが向いているかを知りたい!
という方向けに「グラフィックデザイナーに向いている人」「イラストレーターに向いてる人」をまとめました!
私はどちらの仕事も受注していますので、リアルな経験をベースに書いています。
ぜひ参考にしてみてください。
イラストレーターに向いている人
イラストレーターを目指したいと思った時点で、絵が描ける人だと思いますので
「イラストが描ける」という部分は大前提とします。
その上で、イラストレーターに大事なことは下の3つです。
- 要望に合わせたイラストが描けること
- 自分の得意分野や個性があること
- 人のためにイラストが描けること
詳しく説明していきます。
①要望に合わせたイラストが描けること
まず、イラストレーターは画家とは違います。
画家
自己表現の一つとして、自分が好きな絵を描き個展を開いたりして収入を得る。職業というよりも「活動方法」のような位置づけ。
イラストレーター
依頼を受けて、それに合わせたイラストを描く職業。有名になったり、絵柄に個性がある場合は自己表現として描いたイラストが売れることもある。
イラストレーターは「自分が描きたいイラスト」ではなく、「依頼されたイラスト」を描くことが大前提です。
また、依頼を受けている側なので、クライアントからの要望や修正なども多いです。
自分のイラストに対する修正を受け入れられることがイラストレーターの心構えとして重要になってきます。
②自分の得意分野や個性があること
どんなイラストでも描けます!
料理のイラストを専門に描いています!
Aさんの方が、一見「たくさん仕事がもらえそう」と思えますが
実は「なんでも描けます」はあまりアピールポイントになりません…。
例えば、イラストレーターに料理のイラストを依頼するとします。
そうなると必然的に「料理のイラストだから、Bさんにお願いしよう」と思うはずです。
世の中にはたくさんのイラストレーターがいますので、その中から選んでもらわなければなりません。
選んでもらうには「得意分野」や「個性」が必要になるのです。
・かわいい女の子の絵が得意
・風景を描くのが得意
・機械を描くのが得意
・動きのある派手なイラストが得意
得意な分野や、雰囲気がある方がイラストレーターとしての需要が高いと言えます。
③人のためにイラストが描けること
①の「要望に合わせたイラストが描けること」とも似ています。
自分の自己表現のために絵を描いていきたい!と思っている人は、イラストレーターにはなれません。
「自分の描きたいイラスト」がクライアントに受け入れられ、
「ぜひあなたに描いてほしいです!」と依頼が来ることもあるかもしれません。
ですが、その依頼にも「〇〇に使うためのこんな感じのイラストを」という要望が含まれます。
もちろん、「もっとこんな風にしてほしい」と修正されることもあります。
「自分が描きたかったイラスト」がどんどん修正されていくことに耐えられますか?
自分が好きなようにイラストを描きたい
イラストが好きな人なら、誰しも自分の好きなイラストが描きたいはずです。
でも、イラストレーターのお仕事として描いていく場合は、
自分のためではなく、人のためにイラストを描く、ということが前提となります。
イラストレーターに向いてない人チェックリスト
こんな人はイラストレーターには向いてないかもしれません。
- 自分が描いたイラストに対して指示や修正をされるのは嫌だ
- 自分が描きたいイラストだけ描いていきたい
- 自分が得意な絵がわからない
①でも書きましたが、「画家」と「イラストレーター」は違いますよ~。
グラフィックデザイナーに向いている人
イラストも描けるけど、グラフィックデザイナーにも興味がある人はこちらも読んでみてください。
グラフィックデザイナーにとって大事なことは下の2つです。
- イラストではなく、デザインの仕事だと理解できる人
- クライアントの気持ちをしっかり考えられる人
①イラストではなく、デザインの仕事だと理解できる人
そもそも、グラフィックデザイナーは「絵を描く仕事」ではありません。
なので「絵を描く仕事がしたい!」とグラフィックデザイナーになるのは間違っています。
グラフィックデザイナーがイラストを描くことは、ほとんどありません。
ポスターや広告、全体のデザインを構成していく仕事です。
もちろん、描ける場合はイラストを自分で描いても良いのですが
手間がかかりますし、金額も加算しなければならなくなり、クライアントから「予算オーバーです!」と断られてしまいます。
イラストを描く仕事ではなく、デザインをする仕事ということを忘れないようにしましょう。
基本的に、特別なイラストが必要になるとき以外は、素材を用意して使います。
すべてのイラストを描いていたら時間も足りず、予算もオーバーしてしまいます!
②クライアントの気持ちをしっかり考えられる人
グラフィックデザイナーは「より良い見せ方」を考える仕事ともいえます。
ポスターや広告のデザインには「情報をわかりやすく伝える」という役割があります。
その上で
・商品の良さを伝えるデザイン
・わかりやすく説明するデザイン
・パッと目をひく、興味をそそるようなデザイン
など内容によって見せ方が変わってきます。
例えば、複雑なシステムの説明をする資料のデザインに、ホラー系の要素は要らないですよね。(お化け屋敷のシステムの説明とかなら別ですが笑)
この場合は、「複雑なものを、いかにわかりやすく伝えるか」を考慮したデザインが必要になります。
なので、クライアントが「なにを求めているのか」「どうしたいのか」「どんなデザインが最適なのか」をしっかりくみ取れることが大事です。
グラフィックデザイナーに向いてない人チェックリスト
- イラストの仕事がしたい
- デザインにつかうイラストは全部自分で描きたい
- 自分のデザインセンスを貫きたい
- コミュニケーションをとりたくない
自分のデザインセンスの押し売りではなく、クライアントが喜ぶデザインを作るお仕事です!
最終的にはどっちもやってもいい!!【二刀流】
グラフィックデザイナーもイラストレーターもどっちもやってしまうのも全然ありです!
ですが、これは最終的な働き方の話。
初めからどちらも目指してしまうと、二つの知識を一緒に入れていかなければならないので
効率的ではないです。
どちらかを目指して勉強していって、最終的に
「デザインまでできるイラストレーター」
「イラストも描けるグラフィックデザイナー」
になるのはおすすめです。
私はグラフィックデザイナーとして転職して、現在は「イラストも描けるグラフィックデザイナー」としてデザインの仕事も、イラストの仕事もどちらもしています。
二刀流になるとできる範囲も広がり、クライアントさんに提案できることも増えるので
仕事の幅が広がりますよ~!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考になれば幸いです。