グラフィックデザイナーとイラストレーターは間違われやすい職業です。
グラフィックデザインの仕事をしてるよ!
へぇ~!じゃあ絵がうまいんだね!
(イラストレーターではないんだよな…)
似ているようで実は全くちがう、「グラフィックデザイナー」と「イラストレーター」。
どちらのお仕事も受注している私が、違いについて説明します!
この場合はグラフィックデザイナーの仕事?イラストレーターの仕事?という疑問も
パターン別に解説していきますので
「このお仕事は誰に頼んだらいいの?」とお悩みの方もぜひ参考にしてください!
- グラフィックデザイナーとイラストレーターの違いが知りたい人
- グラフィックデザイナーとイラストレーターどっちを目指すか悩んでいる人
- 誰に発注したらいいのかわからない案件を持っていて悩んでる人
一番の違いは絵を描くか、描かないか
ものすごく簡単に言うと、「イラストを描く仕事かどうか」です。
グラフィックデザイナーは「デザインをする仕事」
イラストレーターは「イラストを描く仕事」です。
混同される理由としては、グラフィックデザイナーがつくるチラシなどに
たくさんのイラストが使われているためではないかと思います。
ですが、デザインに使われているイラストを描いているのはグラフィックデザイナーではないことがほとんどです。
素材や、提供されたもの、イラストレーターに描いてもらったものを使っています。
グラフィックデザイナーとイラストレーターの比較
グラフィックデザイナー | イラストレーター | |
作るもの | 印刷物(ポスター・チラシ・名刺・パンフレット・パッケージなど)、ロゴ、広告バナーなど | 各種媒体に使用するイラスト(挿絵、キャラクター、背景、図解など) |
何をする仕事? | 制作物全体のデザインをする仕事 | 指定されたイラストを描く仕事 |
主な使用ツール | ・Adobe Illustrator ・Adobe Photoshop ・Adobe InDesign など | ・Adobe PhotoshopやCLIP STUDIOなどのペイントツール ・アナログ絵の場合は画材 |
次の項目で、それぞれの具体的なお仕事内容を紹介していきますね。
グラフィックデザイナーの仕事内容
まずはグラフィックデザイナーの仕事内容を説明します。
具体的にどんなものを作る仕事?
ポスター・チラシ・名刺・パンフレット・広告ビジュアル・パッケージ・バナー広告・看板・ロゴデザイン など
※「看板デザイナー」や「ロゴデザイナー」など、それぞれに特化したデザイナーもいます。
グラフィックデザイナーは、「情報を伝えるためのデザインをつくる人」です。
わかりやすさはもちろんですが
「こうしたら印象に残りやすいかな」
「買いたい!と思ってもらえるようにこうしよう」
というような、人の心を動かしたり、行動につながるようなものを作る仕事です。
印刷物の制作が多いので、印刷に関する知識も持ち合わせています。
デジタルが普及した近年では、web広告などのデジタル媒体でも活躍をしています。
そのため、webデザインが可能なデザイナーも少しずつ増えてきています。
webデザイナーはデザインの他、動きなどを持たせる「コーディング」の知識も必要です。
紙媒体とデジタルの画面上では、デザインの仕方も違ってくるので「グラフィックデザイン」とは少し違う知識も必要になってきます。
どんなツールやソフトを使うの?
現代ではパソコンでの作業が主流で、次のようなソフトを使います。
Adobe Illustrator
デザインの作成を行うメインのソフトです。
文字や図を配置したり、色を付けたり、いろんな表現ができます。
ものすごくいろんな事ができるパワーポイントのようなイメージ。笑
Adobe Photoshop
デザインに使用する写真やイラストの加工などをするときに使います。
モザイクをかけたり、料理をおいしそうにしたり、肌をきれいにしたりします。
印刷向けの解像度やカラーに変更する時にも使います。
Adobe Indesign
雑誌や記念誌などのページ数の多い書籍のデザインに使います。
自動でページ番号を入れたり、共通の部分の修正などを一括で行うことができます。
イラストレーターの仕事内容
具体的にどんなものを作る仕事?
イラストや図を描くお仕事です。
人物・料理・風景など、得意分野によって、請け負っている仕事が変わってきます。
小説や雑誌の挿絵・ポスターなどのメインイラスト・似顔絵・キャラクターなどのイラスト・ゲームなどの背景・取扱説明書の図解 など
どんなツールやソフトを使っているの?
どんな作風のイラストを描くのかによって変わってきます。
作風に合わせた画材
アナログでイラストを描くイラストレーターは、絵具や色鉛筆などそれぞれの作風に合わせた画材が必要です。
ペイントソフト
デジタルでイラストを描くイラストレーターは、パソコンで絵を描くためのソフトが必要です。
CLIP STUDIO PAINT・Photoshopなどのたくさんのソフトがあります。
ペイントソフトを使う場合は「ペンタブレット」という、描いたものを画面上に反映させるツールを使用するイラストレータが多いです。
こんな時はどっちに頼むべき?【仕事の依頼をする場合】
パターン①:イラストがたくさん入るチラシなど
この場合は「グラフィックデザイナー」に依頼すればOKです。
ただし、
・オリジナルイラストを使ってほしい
・社長の似顔絵を入れたい
など、イラストにこだわりがある場合は、別途イラストレーターへの依頼も必要になります。
パターン②:イラストがメインのポスターなど
この場合は
・メインのイラスト:イラストレーターに依頼
・全体のデザイン構成:グラフィックデザイナー
に依頼が正解です。
パターン③:キャラクター系のロゴデザイン
この場合はどちらでも良いですが、「イラストが描けるグラフィックデザイナー」もしくはロゴに特化している「ロゴデザイナー」がおすすめです。
注意点としては、グラフィックデザイナーはイラストは専門外なので、作成できない場合もあることです。
イラストレーターに依頼する場合は、ロゴデザイン用のサイズやカラーモードなどの知識のある人に作成してもらう必要があります。
パターン④:似顔絵入りの名刺
これも②と同じパターンです。
・似顔絵:イラストレーター(もしくは似顔絵師)
・名刺のデザイン:グラフィックデザイナー
に依頼が正解です。
どっちが向いているのか?【進路・転職】
長くなってしまったので、グラフィックデザイナーとイラストレーターどちらを目指すべきか悩んでいる方向けの記事を書きました。
- どちらに転職しようか迷っている方
- 将来の進路希望などでどちらを目指すべきかわからない方
- どっちの仕事が向いているか知りたい方
はこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
混同されやすい「グラフィックデザイナー」と「イラストレーター」ですが
そもそもの仕事内容がちがい、得意分野も異なります。
対応する範囲が「全体のデザイン」なのか「イラスト部分」なのかがもっとも大きな違いです。
個人的には、グラフィックデザイナーという職業の知名度がもっと上がればいいなと思っています。笑
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考になればうれしいです。