私は未経験からグラフィックデザイナーに転職し、現在はフリーランスで活動しています。
未経験から転職したので、毎日勉強することばかりでした。
デザイン会社は忙しいところが多いので、先輩たちに手取り足取りで教えてもらうことは難しいです。
そこで、私が新人時代に行っていた「お金をかけずにできるデザインの勉強法」について紹介していきます。
新人デザイナーさんだけでなく、これからグラフィックデザイナーを目指す方も実践できる方法もあります。
どれもすぐに実践できるものばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね
- 入社したばかりでどうやって勉強したらいいかわからない人
- 独学でデザインを勉強するにはどうしたらいいか知りたい
- 仕事中の空き時間にできる勉強法を知りたい人
お金をかけずにできるデザインの勉強法
勉強法①:身のまわりにあるデザインを観察する
方法のひとつ目は、身近にあるもののデザインをじっくり観察する、というものです。
頭で考えるだけでも、知識のストックになります。
ノートに記録していっても、「勉強したぞ!」という気持ちになり、モチベーションが上がるのでおすすめです。
私も、今でもつい無意識にやってしまっている勉強方法です。
身近にあるもの…例えば
- お菓子のパッケージ
- SNSで出てきた広告バナーのデザイン
- テレビの字幕や番組タイトルのロゴ
- 捨てようと思ったチラシのデザイン
- 待合室にあるポスターのデザイン
本当に何でも構いません。なんでも勉強材料になります!
ポイントは、見るだけではなく、考えて観察することです。
レベル1:デザインの構成を観察
・タイトルがここにあって
・キャッチコピーが入ってて
・色はこんな感じ(背景が赤、文字色がゴールドと白)
・会社名はこんな大きさで裏面に入ってるな
こんな感じで、気づくことをひたすら観察していくだけです。
デザイン全体の構成やレイアウトなどを勉強できます!
レベル2:デザインの役割を観察
次は細部を観察を観察してみましょう。
・商品名はよく見ると影がついてて、立体的になってるな
・文字に白い枠をつけて見やすくしている
・キャッチコピーは手書き文字のようになってて親近感がわく
こんな感じです。
「デザインがこうなってるから、こんな効果がある」という部分に注目すると、より深く観察することができます。
文字一つをとっても、よく見ると白フチがついていたり、様々な工夫がされています。
デザインによってどんな効果を生み出しているのかを勉強できます!
レベル3:もしもこのデザインじゃなかったら…を想像
「ここの色が黒だったら」「この装飾がなかったら」といった、もしものデザインを考えながら見ていくのもおすすめです。
・もしも、この文字が黒だったら見づらいな
・もしも、ここの装飾がなかったらなんだか殺風景になるな
・もしも、このイラストがこっちに入っていたら、なんだかバランスが悪いな
こんな感じです。
完成されているデザインからマイナスをしてみて、どう変わるのか を観察していく方法です。
デザインの重要度がわかったり、良いデザインを見極める力を鍛えることができます!
勉強法②:バナーやチラシなどのトレース練習をする
勉強法①は知識を取り入れる勉強法でしたが、こちらは、実際に手を動かす「作業」の勉強法です。
プロのデザインをそっくりそのまま同じように作ってみる(トレース)というもの。
①デザインのモデルをさがす
まずはトレースする「モデルデザイン」を探します。
ポスターやチラシのデザインでも、バナーデザインでもなんでも構いません。
基本的には、自分で好きだなと感じるもので良いです。
モデルが見つかったら、保存したり印刷したりしましょう。
写真やイラストがメインではなく、文字が多めなデザインの方が作業しやすいです。
②トレースする
モデルデザインを複製するつもりでillustratorを使って作業をしていきます。
写真や、イラストは同じものを使うのは難しいので省いたり、図形を入れて「写真」などとしてしまってもOKです。
色はグレーじゃなくてもいいですが、私は実際にお仕事をする場合でもグレーでダミーをいれています。
(QRコードが入るスペースを確保したり、写真があとから送られてくる場合など)
無彩色なので悪目立ちせず、デザインのじゃまにもならないのでグレーを選んでいます。
写真やイラストなどの「自分で準備できないもの以外」は、忠実に再現するようにします。
フォントもなるべく系統の近いものを探して、文字装飾や配色などもしっかり自分の手で再現していきます。
このトレース作業によって
- デザインの制作方法
- illustratorの操作方法
- 効率の良いデータの作成方法
を知ることができます。
勉強法として自分で作業するだけにとどめてください。
ネットに上がっているからと言って、好きなように使っていいということではありません。勉強材料にするだけです。
トレースしたものは「自分でデザインしたもの」ではありませんので、ネットにあげたり、「自分でデザインしました!」と言ってはいけません!
勉強法③:デザインの引き出しを増やす
細かな部分のデザインの「引き出し」を増やしていきます。
勉強法①の「日常にあるデザインを観察する」と同じようにできます。
例えば、「日付部分のデザイン」をするとしましょう。
デザインの引き出しが少ないと「2024年1月23日(火)」という表現しかできませんが
引き出しが増えると
- 2024-01-23(TUE)
- 2024 1.23 火
- 2024 1/23 tue
などと、様々な表現ができるようになります。
文字だけに限らず、「見出し」や「表現方法」など、たくさんの引き出しがあればあるほど、いろんなデザインができるようになります。
勉強法④:【職場編】先輩の作業を見学させてもらう
ここからは、会社員デザイナーとして勤務されている方におすすめの方法です。
先輩がデザインをしている様子を観察させてもらいましょう!
まずは手の速さに驚くと思います…
ただ見ているだけでも
- こんな順番でデザインを組んでいるのか!
- こんな方法もあるんだ
- 今どんなショートカットを使ったんだろう
などなど、たくさんのことを学ぶことができます。
手の早い先輩の作業は、まるでタイムラプスのようにデザインができあがっていくので
見ていてとても楽しかったです(笑)
デザイナーは忙しい先輩が多いです。
作業中はあまり話しかけられると邪魔に思われてしまうかも。
気になったことや聞きたいことがあれば、メモしておいて時間のありそうな時にまとめて聞くのがおすすめです!
勉強法⑤:【職場編】実際のデザインデータを見せてもらう
完成したデザインのデータを実際に触ってみるというもの。
タイトル一つとっても、アピアランスの構成や文字組など
データを触るとわかることがたくさんあります。
- レイヤーの分け方
- アートボードの設定
- アピアランスのつけ方
などなど、データの構造に注目していろいろ触ってみてください。
ここで注意してもらいたいのが絶対に「上書き保存」をしてはいけない という点です。
念のため、「練習用」などと別名保存をしてデータを触るようにしましょう!
- データを見る場合は必ず許可をもらいましょう
- ぜったいに上書き保存をしないようにしましょう。一大事です…
- 作る人によって違う部分も多々ありますので参考程度にして、自分の中で一番しっくりくる方法を見つけましょう。
まとめ
以下が今回紹介した、お金をかけずにできるデザインの勉強法です。
- 身近にあるデザインを観察する(知識)
- デザインのトレース練習をする(技術)
- 常にデザインの引き出しを増やしていく(知識)
- 先輩の作業を見学する(作業方法)
- デザインデータをいじってみる(知識・作業方法)
もちろん、本やネットで勉強したり、スクールなどで勉強するのも効果はあります!
プロのデザインは日常にあふれています。
デザインされたものを日々観察するだけでも、良い勉強になります!
ふと気がつくといつでも観察している自分がいるはず…。
デザインはセンスではなく、知識の積み重ねです。
がんばって引き出しを増やしていきましょう!